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母をゆるす

 私が約1年間お休みしている間に、実はもう一つ大変なことが起きました。それは母の入院です。

 近所づきあいのちょっとした行き違いがきっかけで、眠れず食べられずの状態となりうつ病と診断されたのが今年の2月、そして今も入退院を繰り返しています。

 母の住む団地では、清掃や行事のお世話などいくつかの仕事が当番制になっています。

 去年末、母がそれまで受け持っていた仕事を次の人に引き継ぎをする時に、事件がおこりました。母が事前にお願いしていた人が都合で当番を引き受けられなくなり、知らないうちに別の人に変わっていました。母にとっては「全く予想外のできごと」であり、とりあえず次の担当者に引き継ぎをしたものの、その時を境に段々と様子がおかしくなっていきました。

 どうやら母の頭の中では「次はこの人が当番をする」と順番が決まっていたようで、その秩序が崩れたことで、彼女はパニックになり、自分のミスでこうなったのだと、繰り返しそのことばかり考えるようになりました。そして次第に不安で落ち着かなくなり、体調を崩し、入院することになったのです。

 当番は年末ですでに終わっていて、引き継ぎには何の問題もありませんでしたが、今も母の頭の中からはその「順番」の事が離れずにいて、自分のミスのことを誰かに責められて自分は団地にいられなくなる…というところまで考えがふくらんで、今の家を引っ越したいとまで言っています。


 今回の事で、母は高機能広汎性発達障害(HF-PDD)であることがやっとはっきりしました。
 そのことを妹に告げると、「ああ、なるほどね」と即納得してくれました。

 感情の起伏の激しさ、誰に言うでもないひとりごと、「順番」への強いこだわり…PDDという視点で見ると全て納得のいくものでした。子どもの頃からずっと抱いていた疑問がようやく解けた気がしました。

 それと同時に、母の生きづらさが始めて分かった気がしました。何事も秩序正しく動いていないと、自分の周りの世界が崩れるように感じるのだろうな、と。

 いろんな不便さや辛さを抱えながら、それでも私たちを育ててくれたんだと感謝の気持ちも沸いてきました。

 その時に、これまでの母に対する恨みがましい気持ちやイライラした感情が、すーっと消えていきました。過去にあった辛かった事も、それまでに整理されていたこともあったのですが、もう全部がどうでもよくなってしまった気がしました。

 長い時間を経て、母を心からゆるせた瞬間でした。

 結局PDDだと分かっても、母との距離が近づいたわけではなく、身近にいる妹からたまに電話で近況を聞く程度の関わりしか今はありません。

 でも私は、今のままの母でいてくれればいいと思っています。分からないものは分からない、合わないものは合わない、そのありのままの姿を受け入れるのが一番よいことではないかと思うのです。


 
 

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Comments

もう再開はないのかな、、、と思っていました。
でも再開されて本当に良かったです(〃TーT〃)うん

息子のアスペがわかってからは私、、私の父と、、つながりが見えてきました。あまりに似ているし、それは各々が否定できない(^_^;)
しかし不思議なことに家の父は普通ならそんなことは受け入れるはずもないのに、孫と一緒だとわかるとあっさり受け入れてしかも喜んでいます(^_^;)
本当に孫とは不思議な物です(^^ゞ

Posted by: loveangel | 2006.10.25 at 01:39 AM

お久しぶりです。
再開まで随分とお待たせしてしまいました。

孫とは子どもとはまた違った感情がわくと言われます。
子は鎹(かすがい)とはよく言ったものですが、孫もまた親子をつなぐ大切な存在なのでしょうね。


Posted by: Sana | 2006.10.26 at 01:55 AM

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