みなさんに知ってほしいと思うこと
いろいろと事情があって、記事の一部を非公開にしました。
アチャモさんがこのブログを見ている可能性が出てきたことと、内容的に他人を批判していると受け止められる危険性があると判断したから、という2つの理由からです。
個人的な事は書かないわけではないですが、今後は書き方を変えて極力誤解を防ぐ努力をしたいと思います。
最近、学校や病院で、発達障害の子どもをもつ保護者の個別カウンセリングを優先的に引き受けるようにしています。障害の発見や説明に関わった場合はもちろんのこと、すでに病院で診断が確定しすでに説明も診察も受けている保護者も、希望があれば引き受けています。
彼らとの関わりと、私自身のこれまでの経験から、みなさんに知ってほしいと思うことがあります。
アチャモさんのことも、自分自身のことも含めて、私は自閉症スペクトラムの事をできる限り適切に理解しようと、これまでに様々な本を読み、ワークショップに参加し、そして相談活動に携わってきました。
コミュニケーションがうまくいかないこと、そして他人の立場や気持ちを理解できないことが、家族関係でも、その他の人間関係でもいろんな苦痛や問題を引き起こしていること、そして、それは当事者にとってとても辛いことであり、彼らが親しい人間関係で多くの傷つき体験を持っていること、そしてそれらを受け入れてほしいと望んでいることを、当事者の話や自分自身の体験から、可能な限りの想像力を持って、何とか理解したいとつとめてきました。
少なくとも、私が個別に相談をお引き受けしている保護者の一人一人も、私と同じように子どものこと、そして(配偶者や自分の親も同じ障害を持つ可能性があるときに)夫婦や自分の親との関係をも理解したいと望んでいて、自分なりに一生懸命がんばってきた人たちだと思います。
彼らは子どもや配偶者に愛情を注ぎ、日々子どもたちの成長と行動に目を向けていて、私が自閉症スペクトラムの特性や子どもたちの辛さや抱えやすい問題について話し、対応について話し合うことで、より子どもたちへの理解が深まり子育てに役立ててもらえるなら、私にとってはとてもうれしいことです。
でも、それと同時に、保護者には情緒的なサポートが欠かせません。なぜなら愛情があるからこそ傷つきやすく、苦しむことも多いと感じるからです。
自閉症スペクトラムの当事者にとって、相手が意図することが分からないし、こちらの意図することが相手に伝わらないというのは本当に苦しいことです。傷つき体験の多くは、この過程で生まれます。
しかしそれは、当事者だけでなく相手にとっても苦しいことなのです。多くの保護者や配偶者は、彼らと言葉の上でも気持ちの上でも互いに分かり合いたいという気持ちを持っています。しかし彼らの意図が理解できないし、こちらの意図もなかなか伝わらないので、同じように傷ついてしまうことがあるのです。
愛情があっても、彼らの特性を丸ごと受け入れるというのは、大変に難しいことです。
多くの保護者や配偶者は、彼らの行動に度々混乱すると言います。私もそうです。アチャモさんを愛情を持って受け入れようとすればするほど、混乱します。体調が変わるように、気持ちも揺れ動きます。いつも同じ態度で彼らに接することができるわけではありません。そのような私たちの変化に、彼らは敏感に反応します。
自閉症スペクトラムの子どもや配偶者がいると、自分のやっていることが「これでいい」という確信を持つのが難しくなります。それがさらに保護者やパートナーを不安定にすることがあります。私がお会いしているほとんどの保護者が、将来に対する漠然とした不安や、気持ちの揺れを感じながら、子どもと向き合っているのです。
保護者が子どもたちの特性を受け入れるためには、彼らもまた、受け入れられる必要があります。彼らが子どもたちを支えるためには、彼らもまた誰かに支えられる必要があります。だからこそ、私は個別カウンセリングを引き受けているのです。
願わくば、アチャモさんとうまくやっていくために、私にもサポーターの存在が欲しいところです。
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Comments
おひさしぶりです。
息子のこだわり行動に振り回されて心身疲れてました。お金に関わることなのでつい正論で説得を試みるという不毛な言い争いで夕べはいっしょに出かけた先で切れられてしまい、別々に帰ろうということになりました。家でまた言い争うのが怖くて主人が戻らないかなとバス停に夜11時頃まで立ってましたが、意を決して家に入ると少し息子も落ち着いてましてやれやれ。
でも、問題は何も解決してないのです。息子は自分の言い分が通らなかったいらだちをくすぶらせ、母親の私は、息子が変えられないこだわりをいかなる方法をとっても実行しようとするのは分かってるので、ヤミ金に行ったらどうしようとか、不安が増大して、抗不安剤でやっとしのいでます。
正直、愛情は横に置いておいて、「この子さえいなければ・・・」と思ってしまいます。
花火大会をめぐる旅行、1年間楽しみにしていた、それは別に理解できるのですが、援助した金額では足りないと桁外れのお金を要求します。はねつけると「もうだめだ・・おれの楽しみがだめになる、」としつこくお金をせびり続け、雰囲気はお金を与えないこちらが悪い、といった感じになるのです。 計画を縮小、変更しよう、という柔軟な思考はないのです。
説得は無理、息子に歩み寄って理解するべき?・・事によります。しかし、家庭の経済実情を説明したとしても、そんなことはむすこには知ったことじゃないんです。頭のなかは花火のことだけ。
すみません、混乱してとりとめなく書き込んでしまいました。
sanaさんの記事、私にはかなり強いサポーターです。
Posted by: マーキー | 2005.07.15 10:10 AM
自分を許す方法があるんですか。私みたいにこだわりの強い者には、どんな方法も効かないような気がします。
でもいつでもよいのでぜひ記事にしてください。
Posted by: aikidonotatujin | 2005.07.15 09:53 PM
>マーキーさん
お子さんが妥協案を受け入れられない分、親としては大変な思いをされているのでしょうね。一日も早く状況が落ち着くといいですが。
>aikidonotatujinさん、
そうですね…いくつか方法があるので、そのうちご自分に合うものを試されるといいかもしれません。
早速記事にしますね。
Posted by: Sana | 2005.07.15 11:48 PM
度々お邪魔いたします。
差し障りがあるといけませんので、事前にトラックバックをしてよいかどうか、チェックしていただけますでしょうか?
過去記事になりますが、成人自閉症スペクトラム者の家族にも支援が必要なのでは?・支援が欲しい、という部分を含む内容で、URLは以下の通りです。よろしくお願いいたします。
http://blog.livedoor.jp/wagamama_hime/archives/16501062.html
Posted by: わがままひめ | 2005.07.16 12:20 AM
>わがままひめさま、
トラバのお申し出ありがとうございます。
内容的には問題ないと思いますので、よろしくお願いします。
Posted by: Sana | 2005.07.16 09:51 AM
ありがとうございます。
では、トラックバックさせていただきます。
よろしくお願いいたします。
Posted by: わがままひめ | 2005.07.16 10:33 AM
はじめまして。アスペルガー症候群というキーワードでここにきました。子どもは小学3年生なのですが、1年生のときに戦争の映画を学校で観てトラウマが出来て学校に行き辛くなりました。それで私もブログを書いてたら、コメントを下さる方から「もしかしてアスペルガー症候群では?」と言われて・・・相談機関に予約をいれたんですが、4ヶ月さきで、どこかに書いてるかたがいたら気持ちの落ち着けどころがあるかと思って、おもわずコメントさせていただきました。詳しく読まさせていただきます。ここの存在はありがたかったです
Posted by: ありがとうママ | 2005.07.16 04:18 PM
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Posted by: เกม | 2014.06.26 10:17 PM
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Posted by: free music downloads | 2014.08.20 08:37 PM