« Sana取り扱い説明書 | Main | お詫びとお知らせ »

最後の砦

 今日はK市で終日仕事でした。

 一年8ヶ月働いたクリニックとも今日でお別れです。2月上旬から、少しずつ患者さんの数を減らしてきて、安定している人は終結し、まだ落ち着かない人は、同じ病院の別の臨床心理士に引き継ぐか、他のカウンセラーを紹介するなどして対応し、今日何とか無事に全員の面接を終わりました。

 ぎりぎりまでカウンセリングを続けた6人のうち3人は、自閉症スペクトラム+ADHDなどの発達障害を合併していると思われる患者さんで、途中で終わってしまうのがとても残念で仕方ありませんでした。

 いずれもカウンセリングを受け始めの頃は、気分障害や人格障害として紹介されていて、面接する中で発達障害の存在する可能性が明らかになり、主治医とは意見の相違を感じつつ、また本人には告知せずに対応してきた方々でした。

 主治医とのコンセンサス(同意)が得られない限り、告知はできないので、彼らは自分自身が発達障害を抱えているということを、正確には知りません。彼らが気付いていることが分かっていても、私の口からは言うことはできないのです。

 でも、彼らが何につまづき、困っているかを私がどんどん言い当てることに、「どうして分かるんですか」と驚いている様子でした。私は、少しずつ目の前の問題をどう捉え、対応していけるのかを一緒に考え、実生活の問題を工夫して少しずつ乗り越えていけるように私にできることで後押ししてきました。

 もちろん、理解が得にくい家庭環境や、厳しい雇用条件など、周りにもいろんな問題があって、一歩進んで3歩下がるような時期もあったのですが、辛抱強くおつきあいを続けました。今日は彼らに1人1人、面接の終わりにお礼を言い、お会いできて私はうれしかった、と伝えました。

 たとえ本人に発達障害の事を伝えられなくても、生きにくいだろうな、こんなときは苦しいだろうな、とある程度分かった上で話を聞くのとそうでないのは全然違います。問題の中身は違っても、当事者として共感できる事はたくさんあったように思います。なかなか難しい人たちばかりではありますが…相手に少しでも気持ちが伝わるようにと毎回願いながら面接に臨んできたように思います。。

 4月からは、1人を除いて新しいカウンセラーが彼らの面接を続けることになります。彼らの抱える問題を私が十分に理解できたのかどうかは分かりません。それまで様々な誤解や無理解や心ない態度に傷ついてきた彼らにとって、せめてここにくれば自分の話をちゃんと聞いてもらえた、言葉にならないいろんな思いを少しでも受け入られたと感じられる経験になったのなら、私にとってそれ以上にうれしいことはありません。

 私は彼らにとっての最後の砦になれただろうか、と思います。

 引き継いでくれたカウンセラーには、彼らの抱える問題をきちんと理解して対応できるようにと願っています。


 4月から新年度に入ると、私のスケジュールは大分変わります。

  月曜日 (午前中) 調整時間  (午後) 大学病院勤務
  火曜日 (午前中) 大学で講義  (午後) 後期のみ専門学校で講義
  水曜日 (終日) 中学校でスクールカウンセリング
  木曜日 (午前中) 大学病院勤務 (午後) 大学院で研究 
  金曜日 (終日) 姫路でお仕事
  土曜日 (月1,2回) 大学でカウンセリング


  結局忙しいのは何も変わりません(笑)。4月からは、週1で姫路の病院に勤務します。新しい職場でさらに研鑽を積みたいと思います。


   

|

« Sana取り扱い説明書 | Main | お詫びとお知らせ »

TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/10227/3188079

Listed below are links to weblogs that reference 最後の砦:

« Sana取り扱い説明書 | Main | お詫びとお知らせ »