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迷いながら来た道

 昨日から、更に調子を崩しています。
 大学と専門学校は春休みに入っているので、4月中旬まで講義はありません。今は大学病院に週2日、研究のため大学に週2日通う以外は、自宅で論文を書くための作業をしています。

 最も忙しい時は過ぎて、来年度の仕事もぼちぼち決まっていて、周りにはすごく落ち着いて充実しているように見えるらしいです。

 だけど、今の私は、迷路に迷い込んでしまったような感じです。

 このまま臨床心理士を続けていく自信がないのです。

 大学院の修士課程にいたときには、周りにsupportiveな先生たちがいて、お互い励まし合うクラスメートがいて、私も人の役に立つことをしたいという熱意があって、毎日が新鮮で生き生きとしていました。

 しかし、卒業後まともに仕事につくことがことのほか難しく、現実の厳しさを大分長く味わいました。

 それでも、資格をとる目標があったので、何とか苦しい時期をしのぎ、今はほぼ希望していた仕事に就くことができ、資格も無事にいただきました。

 あとは、自分の専門を深めていけばいいはずなのに…ここにきて、自分がいったい何をしたいのかが分からなくなってしまったのです。

 週3日程度、病院や学校などで数名のカウンセリングをこなし、さらに後輩の指導やメールでの相談などに応じ、介入研究のための面接をしているのが現状ですが、以前のような熱意を段々と持てなくなってきているのが自分でよく分かります。

 やりたくないわけではないのです。むしろこの仕事があったからこそ、助けられたことがたくさんあります。

 しかし、一生懸命やろうとすればするほど、周囲とのずれが生じます。患者さんや相談者の立場を尊重しようとすると、必ずそれに対して反対の声を挙げる人が出てくるのです。

 子どもたちのケアをする中で、保護者や周囲の大人の対応に心を痛めたことがたくさんあります。相談者本人と家族の仲裁に入ることも(これは大人のケースです)決して少なくないし、相談者本人の将来を考えて、あえて家族と対決(confront)することも、たまにあります。

 これらは確かにストレスですが…長い目でみて、これでいいと思える選択ができれば、それほどの衝撃はありません。

 むしろ今一番心を砕いているのは、同業者との関係です。

 ひとことで「心理的援助」と言っても、伝統的な精神分析療法からブリーフセラピーに至るまで、実に様々な考え方と援助方法があります。それらはどれも、きちんと適用されれば、相談者に何らかの良い影響をもたらすことができます。

 1人のひとの支援をめぐって、意見が分かれる事は珍しくありません。病院のミーティングでも、時々意見がぶつかり合うことはありますが、最後はお互いに理解し、どうすれば患者さんにとってよりよい援助ができるのか考えていく場にすることはできます。

 ところが、時々、私の知らないところで、全く事実に反する噂が流れたり、名指しではないものの「こういうことがあった」と別の場所で言われることがあり、第三者の連絡でその事実が分かるということがあります。

 それで仕事を失ったり、はずされたりしたこともあります。

 「クライエントの福利を守ることを第一とする」、ACA(米国カウンセリング学会)の倫理規定の始めに書かれてあることを守ろうとすると時々起きてしまう同業者との摩擦や、それに伴う批判などが、私にとって最もきついものです。

 このような事は、他の多くの同業者も経験しているようです。そういう中で、自分の考えを信じて貫いてきた人たちもたくさんいます。私もそれができれば悩まなくて済むかもしれません。しかし実際は…大分同業者との人間関係で神経をすり減らしているように思います。

 私はまだ、自分の専門すらはっきりと分からず、中途半端な状態にあります。実力をつけていくのはこれからの人間です。競争や嫉妬や、見えない所での様々な駆け引きに巻き込まれることは、私の望むことではありません。

 しかし、巻き込もうとする人たちと私とは、それほど違ってはいないということも、私は承知しています。

 私のこころの中のどこかには、同じような気持ちが存在しているし、人が自分より成長していくのを心から喜べないときもあるだろうと思います。誰にでも心の中に、見たくない部分があります。他人に対して、自分の嫌な部分は見せたくないけど、見えてしまうこともあります。だから「あなたには、この仕事をやっていく資質がない」と同業者に言われてしまうと、確かにそうかもしれない、と思ってしまいます。自分の中にも悪意は存在する、そんな私に果たして他人を助ける資格があるだろうか、と。

 迷いながら来た道の分岐点で、まだ立ち止まっている状態です。

 

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