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まずは仲間作りから

 皆さんにお知らせがあるのですが、その前に、「今わたしたちにできること」でコメントいただいたkanapoohさんのご質問にお答えしたいと思います。

 昨日、理学療法・作業療法の専門学校の試験が終わりました。私は臨床心理学と発達心理学の2つを教えたのですが、今回の発達心理学は、レポート50%、試験50%で評価をしました。

 そのレポートは、「私の人生設計」というテーマで書いてもらいました。

 全部で80人分のレポートを読むのは大変な作業でしたが、私が教えている学校では、小児対象の作業療法士を、最初からでなくても、途中からでも希望している人は4分の1もいました。もちろん、最初は精神科などで経験を積んでから途中で仕事を変わりたい、という人も結構いたので、最初から小児の作業療法を目指している人の数はそれほど多くありませんでした。それでも、数人は非常に具体的なビジョンを持っていて、とても感心させられました。

 kanapoohさんのコメントにもあったように、確かに小児への作業療法というのは、あまり認知度が高くなく、しかも求人も精神科や老人介護の分野に比べるとかなり少ないのが現状です。しかし、今後発達障害支援法や、その他にも子供のケアに関する法律がもう少し整備されてくると、本来は間違いなくニーズはあるので、それに少しは求人のほうも追いついてくるんじゃないかと思います。

 子供のケアについては、今は医師が足りないというだけでなく、子供の医療に携わるスタッフ全体が足りないといってもいいと思います。子供は非常に細やかな対応と専門的な知識や経験が必要で、その割には報酬自体は少ないのです。だから、やる気があってもなかなか思うような仕事に就けなかったり、仕事があっても1人あたりにかかる負担が大人の場合に比べて大きく、体力や家庭の問題などで、長く続けるのが難しいのです。

 そのような状態がすぐには変わらなくても、子どもたちが成長し大人になった時を考えるなら、ケアの手を緩めるわけにはいかないし、家族やすぐ身近にいる人たちに重い負担を強いるようなことがあってはならないと考えます。

 それでは、今の厳しい現状で、子供の作業療法について理解を深め、職域を開拓していくためにはどうすればいいのでしょうか?

 その鍵は、「仲間作り」にあります。

 作業療法士だけで、小グループの勉強会を作り、そこで専門的な知識をさらに養うという手段もありますが、その他には、地元に必ず発達障害の親の会や、医師・臨床心理士などが中心になっての研究会があると思います。一年に何度かは、講演会やオープンの研修会が行われているはずなので、機会をとらえて出来るだけそういった会に積極的に参加するという方法もあると思います。特に、他業種で構成されている研究会では、作業療法の役割や重要性について、いろんな専門家に知ってもらう格好の機会ですから、その時には積極的にいろんな人とのつながりを作っておいて、次のステップにつなげていくようにすれば、就職の可能性も段々と広がってくると思います。

 私は最近、こういう仲間や人とのつながりを大切にすることで、何度も助けられた経験があります。できるだけ、志を同じくする仲間と出会えるチャンスを作り、出会った人を大切にしていただきたいと思います。その中から必ず、将来やるべき事や、進路の方向性について、何らかのヒントを与えてくれる出会いが待っていると思います。

 今すぐに環境が整わなくても、あきらめる必要はありません。なぜなら、必要としている子どもたちはたくさんいて、今はまだ、十分なサービスが受けられていない状態なのです。子どもたちと作業療法士をつなぐには、間に多くの人たちのつながりが必要かもしれないというだけで、これから可能性のある分野であることは間違いないです。

 北欧のある国では、「子供にお金を使わない国は滅びる」と言われているそうです。お金というよりも、子供に感心を持てなくなり、子どもたちが本来受けるべき福祉サービスが受けられないというのは、子どもたちにとって不幸なだけでなく、本当は社会全体にとっても悲しむべきことなのです。私たちは、それぞれの領域で、それぞれの役割を受けて、それをこなしていくだけです。やりたいことがすぐにかなえられなくても、絶対にあきらめないで欲しいと思います。それは、これから子供の福祉に関わろうとする全ての人たちに、私からぜひお願いしたいことなのです。

 私もまた、子供のこころのケアをしていく上では、様々な制約や壁があることを実感しています。しかし子どもたちの10年、20年先にどうなっていくかという長期的な展望と、目の前の問題と両方を考えながら、結果はすぐには出ないけどいつかは必ず出ると思い直すことにしています。今は、状況は結構厳しいですが、同じ方向を目指して協力できる仲間を持てたことで、今後もいろんな問題を乗り切っていけるだろうと思っています。

 
 

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Comments

sanaさん、お久しぶりです。
2週間前から評価実習に旅立ち,残り1週間を前にちょっとだけ自宅に帰ってきています。
あと数時間で再び旅に出るのですが…(笑)

丁寧なお答え,ありがとうございます。
「仲間作り」
確かにそうですね。
私が見えない・行くことが今はできていない場所でも,同じように発達障害という分野に関わって生きたいと考えている人はいる。
そう思うと,自分から積極的にアンテナを張って出かけていきたい・行かなくては,という気持ちになります。

この気持ちが萎えないように,諦めずにいたいと思います。

Posted by: kanapooh | 2005.02.26 at 03:27 PM

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