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今私たちにできること

 昨日、いくつかのブログでアナウンスのあった、スーパーテレビ「我が子は自閉症~奇跡の子育て奮戦記」を見ました。

 私はTV番組のコメントを滅多にしませんが、昨日の番組はかなり見応えがあったと思います。

 自閉症は本当に誤解の多い障害の一つです。「奇行」や「他害・自傷行為」への対応の難しさもさることながら、感覚の鋭敏さ、環境変化への適応の難しさなど、普段私たちが何気なく行えることが、彼らにはとても大変なことで、目に見えないところで私たちの何倍もの生きにくさを抱えているということを、周囲が理解するのはなかなか難しいことなのです。

 番組で紹介された子供たちは、比較的重度の自閉症で、発見も早かったと思います。ご両親が我が子の障害をほんとうに受け入れるまでには、相当長い時間がかかったであろうと思います。それでも日々子供の障害と向き合い成長を見守り、将来の事を考えていこうという姿勢には、頭が下がる思いです。夫婦が共に障害を理解し、子育てにおいても協力体制を築いていくまでに、彼らが払った努力は並大抵のものではなかったと思いますし、子供に対する愛情の深さも感じます。

 しかし、このような例は、まだ非常に少ないというのが現実です。

 我が子の障害をどうしても受け入れられない親も少なくありません。また、パートナーや周囲の理解が得られず、子育てのほとんどが母親まかせになっていて、自閉症特有の行動の対応で疲れ切っている人も多いです。また、奇行をしつけの問題と誤解され、心理的に追いつめられ、孤立感を強めている人たちがたくさんいます。子供に対する愛情があっても、どうしていいか分からずひとり悩む親もたくさんいます。

 このようなTV番組により、自閉症が一般に正しく理解されるきっかけになれば、と私も思います。その一方で、自閉症の子供たちや、成長し今は大人になった当事者や彼らの家族が、将来に希望を持って生きていけるようになるためには、今私たちに何ができるのだろうか、と考えます。

 番組でも言われていたように、子供の時には学校教育の恩恵やケアを受けることができても、学校が終わってしまうと、そこから先、自立した生活を送るための援助がぷっつり切れてしまうのが現状です。

 自閉症の子供たちがある程度の自立した生活を送れるようになるためには、今足りないものがたくさんあります。

 発達障害は主に小児科か、児童精神科で対応されますが、小児科は基本的に14歳までで、それ以降は精神科に移行する形になります。児童精神科医の絶対数も少なく、これからこの領域の専門家を養成していくことも大切なことですが、発達障害の成人例の診断治療を専門とする精神科医はそれ以上に少ないのではないかと思います。
本来発達障害に関しては、子供から大人まで長いライフスパンでつきあえる専門医の存在が欠かせないと私はかねてからずっと考えています。

 そして、自閉症の当事者だけでなく、その家族のこころのケアができる臨床心理士も必要です。発達障害と家族療法を専門とし、発達心理学に詳しいことが条件となるでしょう。

 また、当事者が社会で暮らしていくために、必要な福祉サービスを受けることができ、サポートネットワークを作っていくためには、ソーシャルワーカーや社会福祉士のような福祉の専門職の助けも必要です。また、日常生活技能や職業技術を身につけていくためには、作業療法士の援助や自閉症のニーズに合った職業訓練システムも必要です。

 こうやって考えていくと、1人の人が自立していくためには、多くの人間が、それぞれにできる方法で関わっていくことが必要なんだと改めて気付かされます。本当は、私たちもそうやっていろんな人たちの助けを受けながら、こうして生活できているのであって、自閉症への援助は、基本的には私たちが自立するために必要とした援助と大きな差がないようにも感じます。

 ADHDもそうですが、自閉症も生涯つきあっていかなければならないものです。相手の言葉や気持ちを理解するのが難しく、自分の気持ちや考えを表現することも苦手な彼らを、理解するのは確かに大変なことかもしれません。感覚やとらえ方が違っていても、それでも彼らも一生懸命に生きているのです。

 そんな彼らを見守り、支える人たちが1人でも増えていくようにと願うだけでなく、私もまた、自分の専門領域でできる援助を続けていきたいと思っています。家族でなければできないこと以外は、みんなで支え合っていく、これは自閉症に限らず、その他の障害や老人介護にも共通する理想の姿だと思います。

 今回はぴょろと一緒にTVを見ながら、始めて自閉症について、彼に分かる言葉で説明してみました。ぴょろの通う学校にも特殊学級があり、自閉症の子供が在籍しています。どのくらい耳に入ったかは分かりませんが、少なくとも自閉症がどのような障害なのか、少しは理解してもらえたかなと期待しています。


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Comments

sanaさん

お久しぶりです。

本当に、「今、この瞬間は(色々あっても)それなりに幸せ」と思うことはあっても、将来(といっても、ほんの10年先20年先)を考えた時の不安は、今この瞬間も私の心に同居しています。

このことは、どの親にも共通した思いでしょう。

「発達障害者支援法の成立を願う120人の当事者の意見書」をまとめて、もっとも痛感したことは、ブログやMLで明るく強くふるまっている家族も、ほんの少し「強がり」をめくってみたら、どろどろと将来への不安に苦しみもがく真情がある――ということでした。

明るく、強く見えていただけに、余計に応えました。

「生涯にわたる支援」は、親だけで築こうとしたら途方もない難事だけれど、社会の人たちと力をあわせあえば、なんとかなるんじゃないか? それが私を進ませる淡い期待です。これを、確信に変えていくのがテーマです。

なんだか、コメントというより、自分語りになってしまいましたが、このまま送りますね(^^;

Posted by: カイパパ | 2005.02.01 at 07:55 AM

Rosamondeです。初めて書き込みをします。

私は成人自閉症者です。広汎性発達障害もしくは自閉症スペクトラムと診断されております(カルテでは自閉症スペクトラム&ADHD)。

去年の12月、結婚しました。診断後結婚すると言うのはまだ全国的にも珍しいとのこと。ダンナは非自閉圏です。

地域で暮らしていくと言うのは高機能でもある程度サポートや協力がなければ難しいのです。この間、自治会デビューしたが、感覚過敏状態のままのデビューでした。翌日は散々だと言うことでした。

パニックは起こさなかったもののダンナが辛うじて人間であることがわかる状態で、人間ではない人間が話をしている状態でしたから。

詳しくはブログに書いております。見ていただけるとありがたいのですが。

表向きは前向きであれ~と言う感じですが、実際は天候や精神的なショック度による体調不良を起こしたり、パニック&フラッシュバックと闘ったり、些細なSOSサインを読み取れず、自傷行為スレスレになったりと疲れた~&苦しい~と気軽に言うことが出来ません。

今、私が出来ることは自閉症者本人としてブログや講演などで自分の言葉で自閉症スペクトラム文化やマダム生活を何らかの形で発信すること。

と言うことでよろしくお願いします。

Posted by: Rosamonde | 2005.02.01 at 08:30 AM

こんにちは。
昨日のTVは第2弾という事で,期待しつつ,でもどうかな…と思ってみていました。
特に2色のバーを使った症状の表現はわかりやすくて、文章等ではイメージしにくい自閉症を表現できたのではないかと思います。

私は一昨年まで自閉傾向の子どもが多い通園施設で指導員をしていました。そこでの自分の知識・技術のなさを毎年痛感し、この社会では行きにくい子どもやその家族に何かできないかと思い、作業療法士を目指し,現在は学生生活を送っています。

なので、少しだけ発達障害の知識があり、来年の卒論には特別支援教育制度についてのテーマをあげています。

発達障害に大きく関われると思って選択した作業療法の世界。

でも、現実は老人分野が大きくなりつつあり、発達障害の扱いは他の分野(あと身体と精神)よりも小さく感じることも多いのです。
では将来的に関わる精神科分野の勉強でも、中心となるには統合失調症と気分障害が中心。
それは私が選んだ学校には発達障害を専門にした教員がいないから、ということもあるかもしれません。
学校の選択を間違えたか…!!(笑)
入学前にそんなこと知るか!!と毒づいたりして。

現在の教育現場では、若い学生さんたちは「発達障害」に出会う機会もほとんどないのです。
だから判らない。
知識はあっても、現実感がない。
卒業後、進んで小児・発達障害に関わろうという学生は学年に1名いればいい程度、といわれています。

より専門的に、具体的に関わることができる(はずの)作業療法士を育てる教育現場の裾野の狭さ。
おまけに学校教育現場での作業療法の認知度の低さ(泣)。

とても残念ですし、現実の厳しさを味わったりしています。

でもやはり、そこで声を挙げていかなくては何も変わりませんよね。

キャリアを積み上げつつ、支援に関わって生きていきたいです。

Posted by: kanapooh | 2005.02.01 at 06:14 PM

>カイパパさん

 お久しぶりのコメントありがとうございます。
いつもブログ見せていただいております。

 正直に言えば私にも、やはり将来への不安はあります。ぴょろも私も、結構見えないところではもがいていますから。

 だからこそ、相互理解を深めていくことの大切さが身にしみて分かります。

 たまには、弱音を吐きながらでも、お互い、少しずつ前進していきましょうね。


>Rosamondeさん、

 はじめまして、ですね。
 お名前は以前から、存じておりました。
 コメントいただき、ありがとうございました。

 私の配偶者も、アスペ傾向+ADHDがあります。
やはり当事者でないと、分からないこともたくさんありますので、これからもご自身が体験されている日常のいろんな出来事を教えて下さい。

 Rosamondeさんのブログ、よろしければリンクさせていただいてもよろしいでしょうか?


>Kanapoohさん、

 お久しぶりです。コメントありがとうございます。

 今、理学療法と作業療法の専門学校に、発達心理学を教えに行っていて、Kanapoohさんの言われることを、私も実感しています。

 もともと子供の発達を専門にしたかったので、子供の心理を教えると結構力が入るんですけど、学生さんたちのほとんどは、老人施設や病院に就職を希望していて、彼らの興味とは合っていないと分かっていながら、それでも将来いつ役に立つか分からないから、頑張って教えています。

 Kanapoohさんのご質問には、ブログの記事でお答えしたいと思います。

Posted by: Sana | 2005.02.04 at 07:39 AM

基本的には私のブログはリンクフリーです。
じゃんじゃんはってくださいませ。

そうそう、Sanaさんのブログ、私のブログにリンクはってもよろしいでしょうか? 早速、リンクはらさせていただきます。

Posted by: Rosamonde | 2005.02.12 at 08:58 PM

Rosamondeさん、

 早速リンクさせていただきました。
私の所もリンクはOKです。今後もよろしくお願いします。

Posted by: Sana | 2005.02.16 at 10:09 PM

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