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命を見守る猫

 2週間ぶりに、K市内のクリニックでお仕事でした。
今日は、アスペルガーの人を含む、発達障害の人たちのカウンセリングをしました。
私は発達障害が背後にある、と思って対応しているんですけど、病名はうつ病や心身症。主治医にあまり発達障害の事を話すと「また?」という目で見られそうなので、あまりその話題に触れられない難しさを感じます。

 いろんな患者さんの話を聞いていると、時々人生には、「どうしてこんなことが起こるんだろうか?」ということがあるんだなあ、と感じます。理屈に合わないというか、どう考えても不思議というか奇跡に近いような出来事を体験することもあるんですね。世の中に起こることが全て理論的に、帰属的に説明できるものでなくてもいいんだと最近は素直に思います。以前の、理系バリバリの私からはちょっと考えられないことだけど。

 何が回復のきっかけになるのか、本人も周囲も全く分からないことがあるものです。少し前の事で、一度別のブログにも載せたことがあるのですが、もう一度ここに載せようかと思います。

 今年の4月から6月にかけて、ひどいうつ状態となり(原因はPTSD)、眠れない、食べれない、やる気が出ない…と大分調子を崩した時期がありました。それでも我慢して仕事を続けていたら、このまま死んでしまいたいと毎日考えるようになりました。

 そんな中で、毎週のように沖縄に帰っていて、心身共に疲れ果てていた私は、本気で死ぬ方法を考えるところまで状態が悪くなっていきました。

 ある土曜日、私は仕事が終わったら、それまで考えていた方法で自殺しようと思っていました。ところがその日、カウンセリングの仕事がキャンセルとなり、急に時間ができてしまったのです。それで、自宅に戻ると、猫2匹が玄関にいて、私が帰ると迎えてくれました。

 その後は、私が自分の部屋にいても、ご飯を食べていても、お風呂に入っていても、挙げ句の果てにはトイレにまで猫がついてきて、まるで私がヘンなことをしないように見張っているようでした。

 それも2匹一緒にではなく、1匹ずつ交代で、常にどちらかの猫が私のそばにいる、という状態が数日間続きました。まるで、申し送りをしたみたいに、私がどこにいようとも、絶対についてきて、寝るときも私が眠ってしまうまで絶対にそばを離れようとしませんでした。

 その時は猫たちがまるでナースのように見えました。

 私が元気を取り戻し、死ぬことを考えなくなると、不思議と猫たちはそれぞれの居場所でいつもと変わらず過ごすようになりました。

 その時には、「もしかしたら猫って、人の気持ちが分かるんだろうか?いやそんなはずない」と思ってあまり気にしないようにしていました。もしかしたら、たまたま猫たちがそばにいたかっただけかも、と思っていました。

 でも、先日久しぶりに沖縄に戻ったときに、シェーンもみーちゃんも、私が帰ってきた音を聞いてすぐに部屋から飛び出してきて、「ずっと待ってたよ~」と言わんばかりに、頭をすり寄せてくる姿をみて、もしかしたら、猫って人間が考える以上に人の気持ちをよく理解しているんじゃないかと気がつきました。あれは偶然なんかじゃなく、飼い主の危機を感じ取っていて、こいつを1人にしておくとやばいと思ったのかもしれませんね。

 振り返ってみて、この2匹のお嬢さんたちの見守りのおかげで、私は命を長らえたように思います。今も時々気分が落ち込むときがありますが、大抵は孤独感からくるものなので、そんな時はこの事を思い出すようにしています。一番辛かった時に猫たちに助けてもらったことを考えると、何だか少し元気になれる気がします。

 

 

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Comments

sanaさま、はじめてコメントさせていただきます。
いつも記事を読ませていただき、心に響きながらも今までコメントをできずにいました。
でも今回の記事は、ものすご〜〜く心に響きました〜(T T)
シェーンちゃんとみーちゃんは、ホントにナースみたいですね!
私は孤独になると、何事も悪い方向にしか考えられなくなり、どんどんハマっていくタイプなのですが、そんな時に猫の仕草を見て、何度も癒されたことを思い出しました。

ところで私事になりますが、来週から5週間放送大学で「教育心理学実習」と「臨床心理学入門」のスクーリングです。
今から楽しみで、仕方ありません(^^

Posted by: まや | 2004.10.31 at 05:16 PM

まやさん、

やっぱり猫には癒しの力があるんですね~。
臨床心理学を担当する教官は、日本でもかなり著明な先生方ばかりなのでうらやましいです。
スクーリングで、いろんなことを学べるといいですね。
気を付けて行ってきて下さい!

Posted by: Sana | 2004.10.31 at 08:25 PM

こんばんは。
いつも、勉強になるお話を読ませていただいていますが、
今日の記事を読んで,とても心があたたかくなりました。
Sanaさんと猫ちゃんの心の繋がりの深さを
垣間見られたような感じで。
「見えない何か」「言葉にされない何か」の深さ・重要さを
この記事を読みながら改めて感じ、実習先で出会った
言葉でのコミュニケーションが苦手な自閉症児の子たちのことを
思い出しながら読ませていただきました。

遅くなりましたが、臨床心理士資格の一次試験合格おめでとうございます!
私も2006年の1月には社会福祉士国家試験だ…(汗)

Posted by: sakura | 2004.11.01 at 02:27 AM

はじめまして(^^)
同じ名前のさなです。

猫は人の気持ちに敏感だと思います。
うちの実家でも、弟が親に怒鳴られたときは弟の部屋に行っていたし、
私が風邪で寝込んでいたときは、ずっとベッドのそばに居ました。
不思議ですけどねぇ。

ところで、同じ職場の人がアスペルガー?ではないかと疑っています。
なんだか言葉が通じない感じなんです。
勝手な解釈とか・・・場の雰囲気もわからず一人でしゃべり続けていたり、急に怒鳴ったり・・・(-_-;)
最初はびっくりしましたけど、
今はこういう障害なのかも、とあきらめています。
気持ちは優しいところもある人なんですけどねぇ・・・

Posted by: さな | 2004.11.01 at 07:23 PM

sakuraさん
 
 いつもありがとうございます。
そうですね、言葉に出来ないけど相手の言わんとすることが伝わる時もあるでしょうね。そこが生き物の不思議なところだと思います。

 国家試験来年なんですね。ぜひ頑張って下さい。私は今週末、二次面接なんです。最終的な合否が分かるのは今月末です。

さなさん、

 ホントに名前が同じですね…。(^o^)
具合悪いときに猫がそっとそばにいてくれると安心ではなかったでしょうか?私も以前に配偶者とけんかしてふてくされていたら、猫がそっと寄ってきて、慰められたことがあります。

 職場の方、アスペルガーかADHDか、あるいはその中間かというところでしょうね。いずれにせよ、コミュニケーションを図るのは難しいかもしれません。お気持ちお察しします。あまり無理して対応しようとせず、分からないことは「分からない」で、現実できるところから理解していくことが、お互いのストレスを和らげてくれるように思います。

Posted by: Sana | 2004.11.01 at 11:23 PM

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Tracked on 2007.04.15 at 05:16 AM

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