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ふるさと

 今日はぴょろの小学校で授業参観がありました。
仕事を途中で抜け出して(職場から自転車で3分の距離)参加してきました。

 教室に行くと、音楽の授業をやっていました。練習曲は「ふるさと」、子供たちはソプラノとアルトに分かれて練習し、最後に班ごとに発表するというのです。

 黒板には、3番までの歌詞が書かれていて、歌の意味とか、どんなイメージが浮かぶかなど、先生から子供たちにいくつか質問したあと、練習が始まりました。

 みんなが歌うのを聞きながら、私はある光景を思い出していました。

 私が子供の頃に住んでいた場所。高校卒業後に家を離れてから、再び住むことも訪れることもなく、月日は流れていきました。2年前の4月、私は自分の子供の頃の記憶を少しでも取り戻すきっかけになればと、その場所をぴょろと一緒に26年ぶりに訪れました。

 生まれてから3才まで住んでいた家も、3才から小学校2年まで住んでいた家も(この場所はなんとショッピングモールになっていた…)、小学校3年から高校卒業まで住んでいた社宅も、全部別の建物に変わっていて、ここでどんな暮らしをしていたのか想像すらできないくらい、すっかり周りの様子は変わってしまっていました。通った小学校も新しく校舎が建て直され、思い出と呼べるものを見つけることもできませんでした。

 わたしが帰る場所は、もうどこにもないのかなあ、とその時はけっこう落胆しました。


 去年から、私が小学校2年まで過ごした場所に近い、心療内科のクリニックで週末だけ働くようになりました。生まれ育った場所、という思いはあったけれど、離れてからの時間があまりにも経ちすぎていて、懐かしいという気持ちもあまり持てず、私の故郷っていったいどこにあるんだろう?と時々考えることもありました。

 今年の7月、クリニックでの仕事が終わり駅へと歩いていると、懐かしい太鼓の音がしてきました。駅前で、子供たちや大人たちが練習をしているのが見えました。駅のコンコースから、少し離れた場所に人混みがあって、通りがかりの人たちも彼らの練習を眺めていました。

 その光景を見たとたん、私は子供の時に体験した、あの祭りのときのわくわくした感覚がよみがえってきました。同じ町内の子供たちと一緒に、私もその祭りに参加したっけ…と。

 太鼓とシンバルのリズミカルな音と、太鼓をたたく人たちの表情を眺めながら、私の心の奥底になにかわき上がってくるものを感じました。

 そうだ、やっぱりここが私の原点なんだ、と。

 住んでいた家はなくなってしまったけど、家族もバラバラになってしまったけれど、それでも何かあれば戻ってきたい場所、私のふるさとと呼べる場所はやっぱりここなんだ、と気がついたのです。

 
 K市から2時間かけての通勤は今でも続いています。来年の夏、同じクリニックで仕事をしているのかどうかは分からないけれど、私にも帰る場所があると気付かせてくれたあの太鼓の音は、どこにいてもずっと忘れないでいたいと思います。

 小倉祇園太鼓、それが私のこころのふるさとなのです。


 

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Comments

Sanaさん、湖月堂の祇園太鼓というお菓子がありますよね。私大好きなんです。あとおはぎが最高です。あまり関係ないですがつい言いたくなってしまって。。。

Posted by: Botan | 2004.09.16 at 12:39 PM

はいはい、なつかしいですねー。
私の父親の好物でした。Botanさん、小豆ものがお好きなんですか?

Posted by: Sana | 2004.09.16 at 05:25 PM

こんばんは。そうなんです。小豆ってすばらしいものだと思うのです。でも湖月堂の栗まんじゅうもいいです。ひよこまんじゅうも!あと松露まんじゅう!!!
Sanaさんはお菓子はお好きですか?
(なんか軽薄な内容でスミマセン)

Posted by: Botan | 2004.09.16 at 11:06 PM

栗まんじゅうは今でも時々買います。
父親との思い出の品なんで。
お菓子は大好きですよ。(^^)

Posted by: Sana | 2004.09.17 at 10:29 AM

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