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見る人はちゃんと見ている

 今日は、私自身のポスター発表の日でした。
…といっても、パワーポイントで作ったスライドを印刷して、あらかじめ備え付けてあるボードに貼るだけ、あとは興味がある人がフロアにならんだポスターを見てくれる、という単純なものです。

 国際会議なので、いつもと違い、いろんな国の人が来ていて会話は基本的に英語、というタフな学会です。

 私が発表したテーマはあまり新しいものでなく、私自身もどのくらいの人が見てくれたのかはよく分かりません。ポスターセッションというのがあって、1時間だけ自分のポスターの前で、他からの質問を受け付けることになっていたのですが、その時に私の所にきて見てくれて、声をかけてくれたのは、日本人が2人、中国人が2人、あとは同じ研究室の院生2人と、最後に師匠が何となくさらりと見にきただけ、でした。

 他のポスターの前に人だかりが出来ている所もあったのですが、別にあまりいろんな人に見られるほどの研究でもないので、まあ、こんなものか、と思いました。

 とりあえず今は、無事に終わったのでほっとしました。

 ポスターセッション以外の時間は、張りっぱなしで誰が見てくれたのかはよく分かりません。不思議だったのは、朝9時に会場について、ひとりでポスターを貼っていた時に、複数の韓国人の研究者やアメリカ人の心理学者に声をかけられ、抄録はないかと聞かれたり、自分も同じような研究をやっているよ、頑張ってね、と励まされたりしたことでした。

 おととい、ワークショップで一緒だったイタリア在住の臨床心理士(Ph.D)の方も、今日の午後帰国するからその前に必ず見て帰るからね、と昨日言って下さったし、数的にはどうかわからないけど、とにかく日本人よりは外国人の臨床心理士との交流のきっかけにはなってくれたみたいです。(スライドをメールで送ってというリクエストもありました)

 実は、今回の学会で発表するのは正直なところちょっと不安でした。

 かなり小規模な、細々とやった研究で、あまり出したくない気持ちの方が大きかったからです。中には非常に興味あるトピックで、目立つポスターで、人目を引くものもあったので、それからするとかなり地味な研究でした。

 これまで心理のお仕事をしていく中で、私の能力不足や、能力以外の部分で、いろんな壁(障害)がありました。そのことで、相当にくじけたことがあって、過去に2,3度、師匠にメールでぐちをこぼしたことがありました。

 そうすると、すぐにではないのですが、しばらく経って私が忘れかけたころに、

 見る人はちゃんと見ています。

 という言葉で締めくくった、短いメールが師匠から送られてきました。

 今回の学会でポスター発表が終わった後、この言葉をふと思い出して、そうかもしれないなあ、と素直に感じました。師匠はどちらかというと、普段からあまりほめない人なのですが、この言葉にはずいぶんと支えてもらっている気がします。
 

 さて、発表も無事に終わったし、読みたい本があるので、今日は早めに切り上げよっと。
 

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Comments

初めましてです。
つい2,3週間前に初めて訪れ、それから毎日拝見させていただいております。

「見る人はちゃんと見ています」
良い言葉ですね。さすが師匠様ですね。

本当にそうだと思います。
sanaさんのしていることに、マイペースでこのまま取り組んで行けば、必ず何かが残ると、素人の私でも感じます。
このサイトでも、読むだけで癒される、そんなことがあります。

Posted by: ちょこりん | 2004.07.23 at 05:31 PM

ちょこりんさん、

はじめまして、それからありがとうございます。
そうですね、多分何か残るとは思います。それが誰かの役に立ってくれれば、もっとうれしいですね。

癒しのブログ目指して、これからも書き込みを続けたいと思います。

Posted by: Sana | 2004.07.23 at 10:20 PM

たびたび・・、という感じですが・・・。(笑)コメントにコメントの書き込みです。
きっと、(これは自分がやってるダンス、踊り、からだの課題とかでもそうだと思うのですが)「だれかにとってほんとうに必要であったことは、きっとほかのだれかにも(かたちをかえてかもしれないけれど)必要であったり、"なにか"でありうるんだ」と思います。そこは信じたいとうか、「頼りたい」、「頼ってしまってもいいんじゃないかな」(なんか後退的に聞こえるかもしれませんが)と思いたいです。

きっとだれかの役にもたっているんですよ。ってね。

Posted by: kunie | 2004.07.24 at 01:51 AM

kunieさん、いつも貴重なお言葉ありがとうございます。
私の体験と誰かの体験で共有する部分が出てくることもあり得るんでしょうね。頼るというより支え合えるという気持ちを持てていただけるとうれしいです。

Posted by: Sana | 2004.07.24 at 10:21 PM

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