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幸福な人生

 忙しい毎日が続いています。連休明けから、F県のスクールカウンセラーの仕事が始まりました。大学の講義は大分慣れてきましたが、やはり120名の学生対講師一人の体制では、やりたいことがあっても人数が多すぎて「やっぱやめとこう」…となるときが、少なからずあります。(でも、教えることは楽しいです♪)

 さて、今日はK市内のクリニックでカウンセリングの仕事をしました。

 体調が悪かったので、院長に事情を話して1ヶ月休んだあとの久しぶりの出勤でした。本当は”今月いっぱいでやめます”と言うつもりで行きました。でも、仕事が終わるときには「やめよう」が「続けよう」に変わっていました。

 今年の初め、EMDRの治療者仲間から、ある女性のカウンセリングを頼まれました。その人は、クリニックのあるK市からは、かなり遠い所に住んでおられ、片道4時間をかけてクリニックに通ってきていました。

 私は、自分の体調とその人の負担を考え、本人の自宅からもっと近い場所で開業している、別の治療者を紹介する手はずを整えていました。ところが、本人にそのことを告げると、病院を変えたくない、ときっぱり断られました。かなり複雑な問題をお持ちの方なので、”カウンセリングは多分長引くと思う、だから月に2回長い時間をかけて通うのはあまりにも負担が大きいのではないかと心配している”、と話したのですが、「それでも通います」という答えが返ってきました。

 その言葉を聞いた時、私のこころの中につかえていたものがすうっと消えた気がしました。

 せっかくの休みをまる1日つぶしてでも、今の状況を少しでも変えたい、私からカウンセリングを受けたいと望んでいる人がいる。

 ”Sana、あんた何してんの?”と自分に問いかけるもう一人の自分がいました。どこまでできるか分からないけど、この方のニーズに応えられるようなEMDR使い(セラピスト)にならなくては、と。

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 ここ数日、フランス式「うつ」「ストレス」完全撃退法という本を読んでいました。その中に、幸せな人生を送るためには2つの条件がある、と書かれていました。

 その条件とは、

 身近な人たちとの安定した愛情関係、そしてコミュニティーへの積極的な参加、だそうです。

 愛され受け入れられたい、という気持ちが(ある程度)満たされることは、人が生きていく上ではやはり必要なことだと思います。しかし、幸せだと感じるには、もう一つ、「私が何かをすることが、誰かの役に立っている」という気持ちを感じられるような体験も必要だというのです。

 人はつながりの中で生きているんだなあ、と時々実感します。人との絆から喜びを得られること、それが本当に幸福な状態なのかもしれません。愛し愛されることは、人の心だけでなく、身体にもよい影響を与えるのだそうです。薬よりも強力で劇的な効果をもたらすこともあるんだとか。

 今までは、こんな私を誰か分かって~!とか、受け入れて欲しいという気持ちがつよかったけれど、今日改めて「受けるより与える方が幸いである」という言葉を思い出しました。誰かのために役に立てるかもしれない、と思ったとき、素直にそして心の底から、うれしいと感じたのでした。

 

オーストリアの精神科医、ヴィクトル・フランクルは、ナチスの強制収容所の生存者である。彼は自らの経験に基づく衝撃的な著書「夜と霧」のなかで、極限状態で収容されていた人々を支えることができたものについて語っている。(中略)つまり、冷酷で無関心な世界の中で生き延びるためには、自分の存在の意味を見つけ、何かとつながることが必要なのだ。絶望的な状況において、彼は人生が自分に何をしてくれるかではなくて、自分が人生に対して何ができるかを問い続けることが大事なのだ、とアドバイスする。それはただ、他人の役に立つためには何をすればよいかを問い続けながら、より大きな思いやりをもって自分の仕事を行うことかもしれない。また、何かのために、グループのために、あるいはただ、自分が気になる誰かのために、動物でもいい、たとえば一週間に一度というわずかな時間を費やすことかもしれない。

 そう、それができれば、確かに幸福な人生といえるでしょう。

 4時間かけて来てくれている人の事を考えると、私の通勤時間は片道2時間、半分じゃないの…と思えたのが不思議です。


4048981382.09.LZZZZZZZ  ">フランス式「うつ」「ストレス」完全撃退法  

 

 

 

 

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Comments

カイパパです。


 身近な人たちとの安定した愛情関係、そしてコミュニティーへの積極的な参加

これ、本当にそうですね。
私も実践してみて、つくづく「与えることでより多くを与えられる」幸福を実感しています。
「燃え尽きずに生き抜く」ためには、セーブや出し惜しみをするのではなく、
「燃え尽きたっていいんだ! また始めれば」ぐらいな気持ちで
やっていけば、疲れてしおれているときには、周りの人たちが
水をやりに来てくれるんです。

Sanaさん、お互いしんどいときもありますが、
やっぱり私たちはラッキー☆だと思います。

きっと「いいこと」できるはず(^^)
道に迷ったら、スタート地点までもどって、やりなおせばいいんだしね!(^^)/

Posted by: カイパパ | 2004.05.16 at 09:08 AM

カイパパさん、

確かに、枯れそうで枯れていないですね。私たち。(^_^)

Posted by: Sana | 2004.05.16 at 06:38 PM

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