”もっと知りたい”が研究の出発点

　さっき共同通信の記事から、おもしろいものを見つけてきました。

　ドラえもんを真剣に研究している人がいるんですねぇ。こんな内容です。

ドラえもんの秘密道具はいくつある？　人気漫画「ドラえもん」を学問的に研究している富山大教育学部の横山泰行教授（６２）が、単行本や雑誌などに掲載された全作品を調査した結果、計１９６３個に上ることが分かった。
　秘密道具の数をめぐっては、出版社やファンの間でも諸説あるが、横山教授は「これほど厳密に調べた例はほかにない」としており、話題になりそうだ。
　横山教授は藤子・Ｆ・不二雄さん（１９３３－９６年）が描いた１３４４話すべてを収集。秘密道具を現代技術では実現不可能なアイテムと定義した上で集計した。
　ドラえもんは６９年１２月発売の「小学４年生」（小学館）などで連載が始まり、のび太の家を訪れた際に使った「タイムマシン」が最初の秘密道具。「タケコプター」「どこでもドア」ととも頻繁に登場するが、道具の９割以上が１回しか使われていない。

１９６３個という数が多いか少ないかは別として、９割以上が一回しか登場していないというのはすごい。藤子さんの想像力自体が四次元ポケット並みということなのかもしれませんね。

　それにしても、コミック全部を集めて、それをきちんと集計し分析する富山大学もすごい。彼らは1999年に「ドラえもん学コロキアム」というHPまで立ち上げて、研究結果を公表しているんです。今回の秘密道具の定義も、ちゃんと載っていました。しかもてんとう虫コミックス、単行本未収録…と各カテゴリー別で秘密道具を分析しているところが、いかにも研究者らしいです。

　横山先生ご自身も、ドラえもんがお好きなんだとは思いますが、単なるオタクではなく、それをちゃんと研究として扱っている所に何か惹かれるものがありました。何故こうなのか、もっと知りたいという知的な好奇心が、ここまで綿密な研究を続ける出発点になっているのではないかと思っています。

　以前に、ウルトラマンを題材に、「日本社会のヒーロー像」というテーマでレポートを書いたことがあります。もちろん心理系の授業でしたので、日本の精神文化のどの当たりがウルトラマンに反映されているか、日本人にとってウルトラマンとはどういう存在なのかという内容だったと記憶しています。

　このHPを見ていると横山先生のドラえもん研究にかける情熱の一片を見た気がして、私も研究者としてがんばらなくちゃ、という気持ちになります。

　また、好奇心を持ち続けられたら、研究の対象はそれこそドラえもんのポケットの中身のように、まだまだたくさん見つかるような感じがします。子供の頃ならず、今でもスペアポケットがあったらさぞ便利だろうな、と思うおかたづけの苦手なSanaでした。（あとタケコプターも…飛行機代が浮くから…）

参照HP　
ドラえもん学コロキアム：http://www.inf.toyama-u.ac.jp/doraemon/