3学期の終了式の日、ぴょろが見せてくれた通知表。
ぴょろは切れ者なので、いい成績のものからしか言いません。最後にやや下向き加減に、「算数オレだめだから」とぽつり。
ぴょろは確かに、算数が目立って苦手です。特に図形の概念を理解するのが難しいらしく、勉強したことはなかなか頭に残らないです。私が教えると、段々腹が立ってくるほど飲み込みも遅い。
そのぴょろが突然、「算数勉強して、何の役に立つの?」と私に質問してきました。ぴょろは絵が得意で将来イラストやデザイン関係の仕事をやりたいみたいです。なるほど、算数を勉強しても将来使わないんじゃないか、と言いたいのかなとも思いましたが、ここはちゃんとまじめに答えた方がいいと感じて、しばらく考えた後、
「今やっている算数の勉強は、大人になっても買い物したり仕事したりいろんな場面で使えるから、役に立たないことは絶対ないと思うよ」
と言っておきました。
ぴょろは公文に小3から通っていますが、算数の宿題をどうしても後回しにします。国語もけっこう時間がかかるのに、それでも理解できるから楽しいのか、自発的にやるのです。しかし算数は分からないのでやらず、やらないからさらに分からないという悪循環に陥っている気がして、おとといぴょろに”算数、どうやったら分かるようになるんだろうねえ”、と聞いてみました。
彼の答えは「やっぱ復習かな」
分かっているんだったらちゃんとやってくれよ、と内心思ったのですが、どうせこちらがハッパを掛けないとやらないことは百も承知です。
子供の理数系離れの事が言われるたびに、確かにこつこつと勉強しないとなかなか理解できない科目だけに、敬遠されるのかとも考えます。しかし、将来職業についたときに勉強したことが役に立つかと言われると、理数系の大学を出た私でも、今全然違う仕事についているわけで、役に立つかどうかを勉強の動機にはできないなあと思います。
ぴょろのように軽度発達障害を持つ子供たちの中には、数式や図形の概念を理解するのに時間のかかる子はたくさんいると思います。将来の進路に関わらず、苦手なら苦手なりに、「わかる」体験を積み重ねて算数自体に興味が持てるような教え方の工夫はやはり必要なのかもしれません。苦手を克服しなければならないということではなく、彼らが「自分にもやれる」と思えるように。
その反面、やればちゃんと分かるのに「算数はめんどくさいから」とやらない子供たちがいるのも確かです。しかし、そのまま算数嫌いになる子ばかりではなく、きっかけがあれば好きになって頑張る子もいます。やはりなにがしかの対策は必要なんでしょうね。
私は完全に理数系の人間で、今でも計算などの数学問題を解くのが大好きです。別にぴょろに同じようになってほしいとは思わないのですが、算数が苦手でもせめて嫌いにはなってほしくないなあ、と思います。
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