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うつ病考(2)

さて、うつ病のタイプですが、
一つは痴呆、脳腫瘍などの病気が背景にあって起こるもの、それから副腎皮質ホルモンなどある薬を大量に使うことでその副作用として起こるものが挙げられます。

これらは、年をとる(エイジングといいます)ことや病気により、脳内の気分を司るホルモンが少なくなるか、あるいはそのホルモンに対する感度が落ちる(つまり鈍感になる)ことにより、気分が落ち込みます。
お年寄りの中には、うつが痴呆の兆候であることも。

このタイプは、抗うつ薬を使うことももちろんですが、その背後にある病気や副作用の問題を解決することが第一優先です。

2つめのタイプは「反応性うつ」などと呼ばれるもので、引っ越し、転職、失業、などのライフイベント(早い話が生活上の大きな変化)や、本人にとって非常にショックな出来事がきっかけとなり、うつを引き起こします。
出来事の直後にがくっと落ち込む事は、多くの人が経験することですが、それでもたいていは時間が経つにつれ、あるいは問題が落ち着くにつれ、次第に気分も安定します。しかし、うつになる人は、問題そのものへのこだわりが強いか、または自責の念が強く無理してがまんしてしまうため、回復が大幅に遅れてしまうのです。

このタイプのうつは、その人にあうお薬が見つかると、比較的短期で効果が出ます。しかし薬で気分は落ち着いてきても、問題そのものはまだ残ったままなので、その出来事から何を学んだか、その人の人生の中でどのような意味づけができるか、問題をどう乗り越えていけるか…などについて、カウンセリングでじっくりと取り扱っていきます。
出来事がかなりはっきりしているので、休息をとることについては比較的同意を得やすいグループです。

3つめのタイプ、そして私が病院で一番出会う割合の高いものは、もともと「不安障害」と呼ばれる、日常生活の様々な事柄に対する不安の高い人で、それでも無理をしてがんばり、ついには「電池切れ」の状態になるものです。このタイプのうつになっている人は、必ずしも大きなライフイベントを経験しているとは限らず、むしろ日常の小さなストレスが長い時間の間に少しずつ積み重なり、気がつくとどうにもならなくなっている、という場合が多い気がします。
普通は不安が高まるとその場から逃げたくなるのが人間の常で、緊張や不安が高まる場面を避けることは、場合によっては仕方がないことなのですが、このタイプのうつは責任感が強くがんばりやな人がなりやすく、逃げようとしないのでいつも緊張したぎりぎりの状態が長く続き、しまいには緊張しているということさえ分からなくなることも。
いつも説明するときには、「フルマラソンを、最初から最後まで同じスピードで走ろうとするために途中でエネルギーが底をついた状態と同じ」と言うことにしてます。

このタイプにも、まずは休息と薬を飲む事を第一におすすめするのですが、仕事や家事に手抜きのできない人がおおいので、前回のお話のように、一番説得に時間がかかるグループです。また、薬についても、もともと体調に敏感な人や、以前に薬の副作用を体験した人はきちんと薬をのんでくれないこともあります。「できるだけ薬を使わずに治したい」という希望は多いですが、それは無理です、とはっきり申し上げてます。
まず、この休息と薬の2つがうまくいって、気分がある程度落ち着いてきたら、カウンセリングを始めます。このタイプのうつには、独特の思考パターンがあるので、その思考についてもう一度考え直してもらうことや、不安をコントロールする方法など、やることは盛りだくさんです。

タイプ別といっても、完全に3つに分かれるというわけではなく、中には複数のタイプにまたがる場合もあると思います。

…で、Sanaは今3番目のタイプに入るかと思ってます。(^_^;)

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