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子供がかわいそう

 タイトルの言葉は、私が実母と義母の両方から言われている言葉です。

 子供が4つの時から、ずっと大学、大学院と勉強を続けていて、大学院(修士)が終わって昨年また博士課程に入学するまでの2年間も何らかの形で働いていたから、確かに両方の親には子供の面倒を見てもらったり留守番をお願いしたりしてずいぶん助けてもらいました。多分、それがなければここまではやれなかったと思うので、この点に置いては感謝にたえません。

 今も一ヶ月の1/3は通学と通勤のため家を空けます。子供は11歳、以前に比べると親の手はかからなくなったといっても、精神面ではこれからも親の支えは必要な時期。それは私にもよ~く分かっています。だから、子供の事を考えて家にいることを優先に、という意見はごもっともであると思います。家にいるときには、できるかぎり家族のための時間をとるように気をつけています。でも、それが十分ではないということなんだと思います。

 できるなら、私もずっと家にいてもっと子供と関わりたいし、家事と子育てに専念したい気持ちは変わっていません。だから、去年はもう大学院はやめとこうかと何度も考えたし、今も迷いがなくなったわけではないです。

 「そんなにキャリアを積んでどうするの?」と言われたこともあります。しかし、自分の能力を高めたりやりたいことをやるのと家庭とどちらが大切なのかと聞かれると、それは家庭である、とはっきり言えます。もし、私のやっていることが家族のためにならないなら、きっぱり身を引く覚悟は常にあります。

 自分の子供をちゃんと育てられないで、他人の子供の世話をするのは意味がないとも、実母には言われています。そう言われると、さすがにちゃんと育てている自信はないので揺らぎます。子供には、寂しい思いをさせていないかとか、必要のないがまんをさせていないかとか、いろんな事を考えるし、学校でトラブルがあると、周囲の視線も気になるのは事実。子供がいて家族への責任を負いながら、それでも勉強や研究を続けるには相当な覚悟が必要だと痛感しています。

 そうやってゆらゆらと気持ちが揺れ動き、家族には申し訳ないと思いながらも、毎日毎日最善の選択ができるようにと願う限りです。例えば配偶者と子供のADHDの問題も、家族の中だけで考えるなら、ある程度対応が分かればそれで満足できたかもしれません。しかし、私はどうしても心の声を無視できず、私の視点はもっとより広いところへと行ってしまうのです。微力ながらも、悲しい事件や家族の問題がわずかでも少なくなるように、何かをやらなければならないという気持ちが、まだまだ発展途上にある私を前へと押しやっているのでしょうか。

 以前は周囲の望むようにできない自分をけっこう責めたりもしたけれど、最近は一人前の援助者になるためには避けて通れない一つの課題であると考えるようにしています。少なくとも今のところ、子供と配偶者は、(私がやっていることについて)異議をとなえるつもりはなさそうですし…。
 
 「子供がかわいそう」という言葉に反論するつもりはないですが、親としての私は、少ない接触時間でも内容を充実させる方を選びたいです。今までがそうであったように、自分の未熟な部分も子供にさらけだし、ぶつかり合いながらこれからもやっていくんだろうなあと思っています。内心では、私の生き方のいいところも悪いところも含めて、子供がそこから何かを学んでくれたらと思います。

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Comments

カイパパです。

>…しかし、私はどうしても心の声を無視できず、私の視点はもっとより広いところへと行ってしまうのです。
微力ながらも、悲しい事件や家族の問題がわずかでも少なくなるように、何かをやらなければならないという気持ちが、
まだまだ発展途上にある私を前へと押しやっているのでしょうか。

自閉症児を持つ親の中には、介護ヘルパーの資格を取って、
仕事に関わっている方が、私の知るだけでも4人います。
私は「とてもよいことだ」と思っています。

(1)困っている同じ境遇の本人、親を助けたいという思い=自分こそ最適のヘルパーであるという自負
(2)同じ障害をもつ違う年代の人の支援をすることでスキルアップできる。
(3)自分の子どもと離れての仕事だからこそ、レスパイトの意味がある。

特に(3)に意味があるんだろうと思います。
わが子からは、24時間一生(←本当はこうであってはいけないのだけれど)の支援が求められている。
そのことのヘビーさは、なんとも表現できないものがあります……
「他人だからこそできること」ってたくさんあると思うんです。

そんなことを考えながら、読みました。
ありがとうございます。

Posted by: カイパパ | 2004.01.23 at 09:29 PM

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